視界がぼやける、目がかすむ
視界がぼやける、目がかすむという症状は、目の使い過ぎが原因でみられる場合もありますが、中には疾患の症状として現れている場合があります。下記に示す症状に該当する場合、視界のぼやけや目のかすみが進行し、日常生活に影響を与えることがあります。お心当たりのある方は、お気軽にご相談ください。
このような症状はありませんか?
- 視力の低下があり、目がかすむ
- 視界がぼやける
- ピントがなかなか合わないことがある
- パソコンやスマートフォンの画面がにじんだようにぼけて見える
- 太陽や夜間の照明が以前より眩しく感じる
視界がぼやける、目がかすむ原因となる疾患
白内障
眼の中でレンズの働きをする透明な水晶体が白く濁ることで、視力低下を起こす疾患です。加齢が原因で発症することが多く、毎年100万人以上もの方が白内障の手術を受けています。主な症状は目がかすむ、視界がぼやける、眩しさを以前より強く感じるなどが挙げられ、暗いところで見えにくいと感じることもあります。
急性緑内障発作
緑内障は、視覚情報を目から脳へと伝える視神経に異常が起こり、視野が欠ける疾患です。大半は自覚症状が起こらないほどにゆっくりと進行しますが、急に眼圧上昇をきたす急性緑内障発作では、目のかすみだけでなく、頭や目の強い痛み、目の充血、嘔吐や吐き気などの症状が現れます。急性緑内障発作は速やかに必要な治療を行わなければならないため、これらの症状が生じた場合は、直ちに眼科を受診してください。
糖尿病網膜症
高血糖状態が続く糖尿病は、全身の血管に障害を引き起こし、多くの毛細血管が分布する目の網膜にも影響を与えます。糖尿病網膜症は、初期は症状を示さずに進行し、網膜の血管の閉塞、破れることによる出血などで視力低下を起こし、網膜剥離や失明のリスクがある糖尿病合併症です。糖尿病の診断を受けた際は、自覚する症状がない場合も定期的に眼科を受診し、血糖をコントロールすることが必要です。
視界がぼやける、目がかすむ原因となる生活習慣・その対処法
視界がぼやける、目がかすむという症状は、日常生活に関与することがあります。また、目の使い過ぎが原因となることも多いため、予防対策を取り入れることで目にかかる負担を軽減することが可能です。適切な予防法や対処法を知り、症状改善に努めましょう。
老眼
加齢により、水晶体の柔軟性や目のピント調節を担う筋肉の働きは低下します。そのため、40歳頃から近くのものにピントが合わず見えにくいといった老眼の症状が出るようになり、初期に視界のぼやけや目のかすみに気付くことが増えてきます。
見えにくい状態で無理に見続けると、ピント調節を行う筋肉のストレスとなり、肩こりの慢性化や眼精疲労などが生じます。また、知らず知らずのうちに眉間にシワを寄せてしまうことで、老けて厳しい印象を与えてしまうこともあります。老眼鏡に抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、早いうちからご自身に合った老眼鏡をお使いください。レンズやフレームの組み合わせによって、老眼鏡とは分かりづらい眼鏡に仕上げることも可能です。
眼鏡やコンタクトの度数が合っていない
ご自身の目に合わない眼鏡やコンタクトレンズを使い続けることは、ピント調節に関与する目やその周りの筋肉にとって大きなストレスとなります。視界のぼやけ、目のかすみに気付いたら、眼科で正しい視力検査を受け、眼鏡やコンタクトレンズの度数を確認することが大切です。
また、近視や乱視、老眼は、気付かないうちに進んでいることが多々ありますので、見えにくい場合は、眼科で検査をお受けください。眼科医による眼鏡の処方箋は保険適用で、眼鏡店でもお使い頂けます。また、長い時間パソコンやスマートフォンで作業をする場合、目的に応じた眼鏡を使用することが目の疲労を和らげます。当院では、専門的な検査の他、装用時の負担が少ないフレーム選びなどの相談にも応じております。お気軽にお尋ねください。
コンタクトレンズをお使いの方は、度数以外にも、レンズの長期使用による不十分なケア、正しくない使用方法などのため、かすみ目などが生じていることもあります。目の状態を知る眼科の定期受診は、ご自身の瞳と健康を守るためにも欠かせません。
ドライアイ
ドライアイは、涙の量や質が変化して目の表面が乾く状態です。目がかすむなどの症状以外にも、角膜などに障害を与え、多様な目の病気に繋がる可能性が高いと考えられています。ドライアイの効果的な対策として、スマートフォンやパソコン使用時は瞬きを心がけ、目を休ませる時間を取る、加湿して室内の乾燥を防ぐなどが挙げられます。また、当院では、目の潤いを保つ効果の高い目薬、目の状態、点眼頻度など患者様の生活スタイルに合わせた処方を行っております。お気軽にご相談ください。
疲れ目
目の疲れが休息や睡眠を取っても改善しない状態です。眼精疲労では、肩こりや頭痛など目以外の症状を示すこともあります。また、長い時間パソコン、タブレット、スマートフォンなどを使うことが原因のVDT症候群では、眼精疲労に睡眠障害を併発する場合があります。
効果的な対策として、意識的に作業を止めて目を休ませる、照明を工夫して室内全体を明るくする、目の周りを温めて血流改善を図る、寝る前はスマートフォンの使用を控えるなどが挙げられます。
日頃の生活が原因となる視界がぼやける、目がかすむという症状に対して、効果的な対策を取り入れても軽快しない場合には、できるだけ早く当院までご相談ください。