乱視について
乱視は黒目部分の角膜に傷が入り凹凸や歪みができることで、ピントが合わず物が歪んで見える、二重に見えるなどの状態で正乱視と不正乱視に分類されます。
正乱視は、本来球状の眼球が何らかの要因で歪むことによって起こり、不正乱視は角膜に傷が入るために起こります。
乱視矯正白内障手術
乱視は角膜の歪みや凹凸が原因となり生じます。乱視矯正手術には、角膜の歪みを整える角膜輪部減張切開術と水晶体をトーリック眼内レンズに交換する方法の2種類があります。
輪部減張切開術
輪部減張切開術は、歪みが生じた角膜と結膜の周辺部である角膜輪部を切開することで内圧を抜く方法で、乱視の改善が望めます。
乱視矯正眼内レンズ（トーリック眼内レンズ）
以前の白内障手術では、白濁した水晶体の代わりに眼内レンズを入れて近視や遠視の矯正を行い、乱視は眼鏡による矯正を行っていました。最近では、乱視矯正用のトーリック眼内レンズが一般化したことで、眼内レンズによる乱視矯正も可能となりました。
手術の流れ
乱視矯正白内障手術の流れは、通常の白内障手術と同様です。術前に、医師がレンズ挿入の切開位置や挿入角度のマーキングを行うため、手術時間がおよそ1～2分長くなります。
手術費用の目安
トーリック眼内レンズを用いる手術も白内障と同様に保険適用となります。費用の目安は以下です。
| 1割負担の場合 | 片眼20,000～30,000円程度 |
|---|---|
| 3割負担の場合 | 片眼50,000～60,000円程度 |
※手術後に使う点眼薬や保護眼鏡も上記に含まれます。
※生命保険や医療保険などの任意保険にご加入の方は、手術によって給付金が支払われる場合があります。保険の契約内容などにより対象となる手術が異なるため、詳しいことは事前に加入している保険会社へお尋ねください。
当院で実施する乱視矯正白内障手術の特徴
乱視矯正を伴う白内障手術は、トーリック眼内レンズを挿入する方法が一般的に行われており、角膜輪部減切開術を行う眼科は多くありません。
近年、角膜輪部減切開術に関する発表や論文が増加し、多くの関心が寄せられています。当院では両方の手術に対応可能ですので、患者様に応じた手術法をお選び頂けます。
乱視矯正白内障手術のQ&A
乱視矯正の効果は生涯続きますか？
角膜は加齢や様々な要因により変化するため、手術での乱視矯正の効果が生涯続くとは言えません。角膜輪部減張切開術による矯正は再度行えますので、視力が低下した場合には実施可能です。
手術後に注意すべきことはありますか？
輪部減張切開術は、術後に違和感が生じる場合があるため、目の周囲に触れる、擦るなどを避けてください。トーリック眼内レンズを挿入した手術当日は頭の動きを伴うような活動的なスポーツは控え、ゆっくりとお過ごしください。